Makoto Kuriya
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DISCOGRAPHY
"日本人独自のスタンダードを"、そんな気持ちを込めてクリヤが放ったアニメーション・テーマ集。きっかけはクリヤが、世界的ヒットを飛ばし社会現象までも引き起こしたアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のエンディングテーマ「Fly me to the moon」を演奏したことだった。
本作は日本人に耳なじみのあるアニメーション・テーマに、本格的なジャズ・アレンジをほどこして高い音楽性を維持し、多方面からの支持を得た。
01.Prologue
02.ルパン三世のテーマ'78 (1)
03.Fly me to the moon
04.真っ赤なスカーフ
05.光の天使
06.哀 戦士
07.ムーンライト伝説
08.ルパン三世のテーマ'78 (2)
09.いつもあなたが
10.THANATOS
11.Epilogue (Rising Moon)
クリヤ・マコト(p) 納 浩一(b) 大坂昌彦(ds) 岸田容男(ds)
PC fan 8月号
アメリカで録音したデビュー作「ザ・ボルチモア・シンジケート」で本邦ジャズ シーンの注目を集め、これまで8枚のリーダー作をリリースしているピアニスト、 クリヤ・マコト。ご存じない人も音は聴いたことがあるハズ。なにしろこのお方、社会現象を引き起こしたアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のエンディングテー マを弾いた人でもあるのだ。そんな彼の新作はなんとこれまたアニメ。「ルパン 3世」や「宇宙戦艦ヤマト」はまだいい。なんと「美少女戦士セーラームーン」 のオープニングテーマまでをジャズ流にアレンジして、トップクラスのミュージ シャンとともに演奏しているのだ。原曲を知っている人なら新鮮な再会ができる こと確実。ジャズファンにも予想を裏切る快い驚きを与えるはずだ。ジャズピア ノの心地よい響きは見事に昇華されており、ここからアニメ音楽が進化する予感 大。オリコンで1位を記録した「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」も収録している。
ミュージックマガジン 8月号
「エヴァンゲリオン」のセルフ・カヴァーを含むアニメ・テーマ・リメイク集ピ アノ・トリオ版。売れ線企画という先入観バリバリで聴くほどに光るクリヤの才気。 カラオケ演歌のガイドを超高密度にしたような「真っ赤なスカーフ」は圧巻。
朝日新聞 8/28号
アニメソング?とたかをくくってはいけません。これがしっかりジャズしている のです。それもそのはず。主役のクリヤ・マコトはアメリカで教鞭をとっていた こともある実力派ピアニスト。「ルパン3世」、「宇宙戦艦ヤマト」など懐かしのナンバーが見事なジャズに生まれ変わっています。ジャズファンもアニメファンもそうじゃない人もぜひご一聴あれ。
スイングジャーナル 9月号
パドルホイールも先月は「ゴジラ・ジャズ」で今月送られてきた資料には曲種 「アニメ・ジャズ」。たしかにメンバーもいいし。演奏も標準以上、いいです。 この精鋭メンバーが曲目によって手かげんをするとは思えないしね。しかし僕 にはアルバムに1曲ぐらいはともかく、全編アニメのテーマがジャズの楽曲と して魅力的なチョイスとは思えないな。したがってミュージシャンに提供され た楽曲と企画には疑問あり。ミュージシャン自身も疑問に思わないなら仕方が ないけど。だってルパン3世のテーマなんてもったいないよ。下世話に言えば ハービーとジャコとレオン・チャンクラーがセッションしました、みたいなパ ワーと迫力を持つ演奏を(本当に下世話でごめんなさい)、別にこの場面で演 奏しなくてもいいと思うんだけど。クリヤのオリジナル1曲(ソロ)を除き、 すべてアニメ関係のテーマ。曲調によりドラムスを入れ替え、全体的にジェン トルなサウンド。右手はあくまでもタイト&テイスティー。追いかける左手も 透明で軽快なコードを押さえ込み、テーマ、ソロともに破綻なく、リズム・セ クションとのコンビネーションもよく、この作品で誉められるべき点と言え ば、ひとつには彼の音楽が持つ根本的な上品さときれの良さだろう。どのよう に弾いても音が濁らない感じ。そして大坂、岸田の2人のドラム奏者の独自の キレはさすがだし、納ベース重厚。だから、やっぱりテーマ。(都並清史)
ベースマガジン 9月号
このところクラブ系のサウンドやあの「エヴァンゲリオン」関係のサウンドトラ ックなどで活躍していたクリヤ・マコトの久々のジャズ・アルバム。といっても、 アニメのテーマ・ソングをピアノ・トリオで料理しているというユニークなもの だ。「アンチテーゼ」という確信犯的タイトルがいかにも彼らしい。おなじみの メロディが新鮮なジャズ・サウンドに変身していく。かつてジャズは、映画やミ ュージカルのテーマを巧みに取り込んでジャズに変身させてきたが、ここでも彼 らはまったく新鮮なジャズ・サウンドを生み出している。指から感性がほとばし るようなクリヤのピアノは快感だ。また、どんなメロディやビートも巧みに「ジ ャズのビート」にしてしまう納浩一のフレキシブルなベース・ワークも驚異的である。