DISCOGRAPHY

Self works
Album

ETERNAL
 

2006年に公開された、太宰治原作・塚本高史主演映画「富岳百景~遥かなる場所」。クリヤ・マコトが担当したそのサウンドトラックは、ジャズのモダンな和声美と、富士に象徴される和のイメージを融合した、雄大かつ透明感溢れる作品となった。
一部の熱烈なご要望に応え、その主要曲を集めた限定ミニアルバムが完成。クリヤ・マコトの本流とはひと味違った、「癒しの自然派ピアノジャズ」をパッケージングした秀作。
ゲストとして若手ナンバーワン・ジャズサックス奏者「太田剣」、端正なテクニックで知られる名ギタリスト「天野清継」が参加。ファンアイテムとしても欠かせない貴重な一枚である。

tracklist
1. エターナルブルー (クリヤ・マコト)
2. 星降る夜 (クリヤ・マコト)
3. 月見草 (クリヤ・マコト)
4. ハミングバード (クリヤ・マコト)
5. 宵待草 (クリヤ・マコト)
6. さくらガーデン (クリヤ・マコト)
7. 水晶の月 (クリヤ・マコト)
8. ドルフィンダンス-bonus track (Herbie Hancock) 

musicians
クリヤ・マコト(pf)、太田剣(sax, 1, 6)、天野清継(g, 3, 5)

2006年、太宰治の原作を塚本高史くん主演で映像化した「富嶽百景~遙かなる場所」が公開された。この作品は、太宰治の自伝的短編小説を現代に置きかえたものだ。その音楽を依頼された時、ぼくは富士山に象徴される「和」のイメージと、現代的なジャズのイメージを融合して、自然の美しさを朗々と謳い上げるような静かな音楽を作りたいと思った。木々の間を響き渡るような透明感溢れるピアノの音をメインに、それぞれの場面に合わせた楽曲を作った。
この作品は、普段ぼくのライブを見に来てくれる人たちにとっては、ちょっとイメージが違って聞こえるかもしれない。それはあくまでも、映像と物語を中心に作ったからだ。しかし音楽家にとって、普段あまり考えたことのないテーマを与えられるのはチャレンジでもあり、また時には別の自分を発見するチャンスにもなる。事実このサウンドトラック制作後、海外公演が増えたことも相まってぼくは、「和とジャズ」というテーマに取り組むことになった。

収録作品の中でも最も「和」を意識した「さくらガーデン」は、作品の舞台となる「天下茶屋」の美人女将をイメージして作り、当初「女将のテーマ」と呼ばれていた。2007年のヨーロッパツアーで、ぼくはフランス、イタリアのアーティストたちとピアノトリオでこの曲をプレイしたが、その反響がすごかった!アーティストにもオーディエンスにも大好評。この曲が収録されたCDは無いのかと何度も聞かれた。これに気を良くしてぼくは、帰国後も「クリヤ・マコト・トリオ・ツアー」でこの曲を取り上げた。すると驚いたことに、国内でも各地で熱烈な歓迎を受けた。ジャズの美的感覚と和の融合は、国内でも国外でも実に暖かく受け止められたのである。
劇中で繰り返し流れるメインテーマ(「富士のテーマ」)は、ソロピアノを含めいくつかのバージョンを録音した。ここに収録した「エターナルブルー」は、人気若手サックス奏者で良き友人でもある太田剣を起用した、ソプラノサックスバージョンだ。彼には上記「さくらガーデン」にも参加してもらった。
唯一ユーモアやペーソスを表す楽曲「宵待草」はスローなブルースで、端正なテクニシャンとして知られるギタリスト、天野清継とのデュオで録音。「ハミングバード」はそのソロピアノバージョンで、ここではイントロとして続けて収録した。彼にはまた、「月見草」にも参加してもらった。これはヒロインをイメージして作った曲で、原題を「美智子のテーマ」という。
この曲は当初から気に入って良くライブでプレイしたのだが、ちょうどその頃ぼくの周囲やファンの方になぜかアキコさんという女性が大勢いた。それでライブのノリで「いっそのことアキコのテーマにしちゃおうか(笑)」という話になり、しばらくの間日本中のアキコさんに捧げてプレイしていたので、ここに副題「アキコのテーマ」と記しておきたい。映画の公開終了後も楽曲として独立し、現在に至るまでプレイし続け、時と共に発展してきた曲たちのルーツとなる演奏を、こうして作品としてまとめることができて本当に嬉しい。

さらにもう1曲、最後にボーナストラックとしてぼくのソロピアノコンサートから「Dolphin Dance」を収録した。これはかのハービー・ハンコックの名曲で、クリヤ・マコト・トリオのアルバム「My music is Your music」にも収録されている。ここでの演奏は、生まれて初めて開催した忘れがたいソロピアノ・ワンマンライブで、暖かいオーディエンスの拍手に応えてプレイしたアンコールナンバーである。

(クリヤ・マコト)

cdcdcdcdcdcdcdcdcdcdcdcdcdcdcdcdcdcdcdcdcdcd